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15. ALS
先日、母が呼吸困難で病院に運び込まれ、数日、付き添っていた。
彼女は、ALS(筋萎縮性側索硬化症)を数年前に発症し、徐々に体を動かすことができなくなっていった。本人の希望もあり、ぎりぎりまで仕事も続け、在宅で家族やヘルパーさんの支援をうけながら頑張ってきた。
実は、叔父(父方)のひとりをALSで亡くしている。僕にも間違いなく遺伝しているだろう。実は最近、発症していることに気がついた正常眼圧緑内障の原因遺伝子は、ALSの原因遺伝子と同じであるという論文が発表されている。もしかすると、僕も将来は、叔父や母と同じ運命を辿ることになるかもしれない。自身の先のことについてグダグダ考えてもしようがないが、自分もそうなる可能性がある、という状況になると、考えることも多少変わってる。
ALSには、本人と周囲にとって、大きなイベントが二つある。ひとつは、自分がそうであるとわかること、二つ目は、気管切開(その後は人工呼吸器を使う)を行うか行わないかという判断をすることだ。二つ目は特に重要で、ひとたび人工呼吸器をつけたら、現在の日本の法律では、取り外すことができない。病状が進行すると、最終的には、外部とのコミュニケーションは、例えば目の動きで行い、呼吸は人工呼吸器という状況で、生きていくことになる。
母はそういったことを知った上で、考えた上で、気管切開の意思を以前から表明していた(と聞いている)。
勇気があると思う。 僕は、自身が同様の状態になった時には気管切開はしない、と今は考えている。呼吸困難の苦しさは実体験してわかっているが、意識はまともでも体のどこも動かせない、他者とのコミュニケーションが難しい、という状況が怖くてたまらない。
いずれにせよ、母の最期の大勝負を、応援し、そして付き合おうと思う。
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